素敵な里親さんが見付かるまで、武蔵野のとある家に下宿する動物たちのお話。
ご心配をお掛けいたしました
2007年11月08日 (木) | 編集 |
昨夜10時過ぎ、きりしまが散歩中に逃走してしまいました。
ですが約5時間後の午前3時、家の近くに戻ってきて無事に確保いたしました。
ご心配をお掛けいたしました。
コメントやお電話でご心配頂いたり、ご協力を申し出てくださったり、本当に救われました。ありがとうございました。心から感謝しております。

まずはきりしまが逃走したときの経緯を説明したいと思います。

朝の散歩でウンチをしなかったきりしま。いつもであれば夕方にもう一度散歩に行くのですが、昨日はわたしの体調が思わしくなく、夕方からずっと寝ていました。そして10時に起きて、めちゃくちゃになっているサークル内を見て「トイレを我慢しているのだろう(最近きりしまは外でトイレをします)」と思ったわたしはトイレだけでも・・・と思い、バディ、コロ助と一緒にきりしまを外に連れ出しました。きりしまはいつもよりもややはしゃいだ状態でした。
近所を一周し、家の近くまで戻ってきたときにきりしまがウンチをし、それを取ろうと持っていたリードを右手から左手に持ち替えてビニールを用意した瞬間でした。アクシデントが起こりました。それは一瞬の出来事で、わたしにとっては不可避なことで、わたしは不覚にもその瞬間に左手に持っていたリードを離してしまいました。きりしまが逃げたのはその瞬間でした。きりしまが逃げた原因は、わたしが「ウンチを取る短い間なら大丈夫だろう」と無意識のうちに思い、持ち替えたリードをしっかり持っていなかったこと(輪っかに手首を通していなかったこと)です。
その後きりしまはいつもの散歩コースを辿ってものすごい勢いで走っていき、わたしはバディとコロ助を連れて追いかけました。武蔵野公園まで追いかけ、コロ助を公園の入り口に繋ぎました(逃走防止のために首輪を更にひとつきつくして)。そして「今はやむをえない状況だ」と判断し、バディを放し、きりしまを追走させました(バディはコマンドで呼び戻しが可能です)。そうしなければ外灯の少ない広い公園ではすぐに見失うからです。バディはきりしまを追いました。きりしまは更に逃げ続けます。バディにはBBQ広場まできりしまを追わせましたが外灯の無いエリアに入ってしまい、これ以上の追跡は難しいと判断し、バディを呼び戻しました。わたしとバディはコロ助を繋いでいた入り口に急いで戻り、一旦犬を連れて家に帰りました。
一度家に帰り、寝ていた留学生を叩き起こして捜索を手伝ってもらいました。1時間ほど探したでしょうか。12時近くまで一緒に探してくれましたが、きりしまの痕跡はまったくありませんでした。きりしまはリードを2本付けていたので、歩けば木や落ち葉に当たってガサガサと音がするはずです。ですが公園は静寂に包まれていました。
留学生は明日も学校があるので、家に帰しました。わたしも家に戻り、自転車で近くの交番を回りつつ警察署に迷い犬の届出をしました。そしてその後も今まで散歩に行ったことのある場所をすべて回りました。しかし、野川公園も武蔵野公園も外灯の無い足元さえ見えない場所が多く、自転車で走るだけで精一杯でした。名前も呼び続けましたが、まったく犬の気配はありませんでした。
2時頃に捜索を打ち切って、家に帰りました。明日の朝までに、ポスターやビラを作ってあちこちに貼り出さなければなりません。夜が明けるまでは、その準備に取り掛かることにしました。きりしまが武蔵野公園から、どの方向に向かって逃げたのか(三鷹か、府中か、調布か、川沿いに世田谷か)見当も付かない今、わたしが闇雲に探しても見付かる可能性は低く(それでももちろん探すつもりでいましたが)、警察と保健所と愛護センターに連絡し、ポスターを作って、人々の善意で保護されることに賭けるしか手はないように思えました。
きりしまの帰巣本能には正直、まったく期待していませんでした。今までの保護活動で聞いてきた話から、犬が自分で戻ってくるというのは本当に可能性の低い美談で、実際にはパニックになったり事故に遭ったりし戻って来ることはほとんどなく、特にきりしまのように人馴れしておらず、自由になれてむしろ嬉しいであろう犬が自分で戻ってくる可能性はない、と思っていました。
それでも万が一(本当に万が一です)戻ってきたら・・・と思い、家の門扉を開けて、わたしは自分の部屋の窓(門扉方向に向いている部屋です)を開けて、ポスター作成の準備をしながらその「万が一」を待ちました。

午前3時になり、わたしは遠くで「サラサラサラ・・・」という、何かを引きずる小さな音がするのを聞きました。家から門扉までは20m離れているのですが、音に敏感になっていたわたしは確かにその音を聞いたのです。
それはきりしまでした。
逃走から約5時間後、きりしまは自分で家の付近まで戻ってきたのです。どこを走っていたのか、リードは真っ黒に汚れ、体もまた汚れていました。ですが傷ひとつ無く、何事もなかったかのような顔をして戻ってきました。ドアを開けると、自分で家の中に入ってきました。

これが、逃走から確保までの経緯です。

逃走の原因は先程も書きましたが、わたしのミスです。たとえ何があったとしても手を放すべきではありませんでした。ほんの一瞬の隙がこのような事故を起こしました。最近はきりしまも少しずつ心を開いてきていたので、わたしも気が緩んでいたのです。今回はその自分の甘さを認識させられました。きりしまの扱いはまだまだ難しい段階なのだということを再認識しました。

今回は無事に見付かったから良かったものの、もし万が一のことがあったら(常に頭の片隅には最悪のケースがありました)、わたしはどのように責任を取ればよかったのでしょう。責任など取れたのでしょうか?きっと何をもってしても、最悪のケースに対して償いようがなかったに違いありません。今はその恐ろしさを身をもって実感しています。

今、きりしまは元気にしています。よほどお腹も空いていたのか、フードにもがっついています。機嫌も良いです。人間にとっては胃が痛くなるような時間でしたが、きっときりしまにとってはなかなか楽しい5時間だったのでしょう。とにかく生きて帰ってきたことだけが救いでした。

今回は多くの方に本当にご心配をお掛けしました。心からお詫びいたします。今後はこのようなことが起こらぬよう、細心の注意を払っていきます。
また、捜索中に温かい言葉をかけて下さった皆さまには本当に感謝しています。
ありがとうございました。